Chatwork株式会社|チャットツールからスーパーアプリへ。日本人の「働く」を、もっと楽しく、もっと創造的に
2023.04.11
この記事に登場する人
門田 矩明(Noriaki Kadota)
Chatwork株式会社 プロダクト本部
2012年サイバーエージェント中途入社。メディア系サービス立ち上げにエンジニアとして関わった後、広告系SaaSサービスの責任者として、開発組織の改善やサービス提供体制の整備などの組織作りに取り組む。2020年にChatwork株式会社に入社。急拡大する事業を支える開発組織の強化施策や、エンジニア採用強化に奔走中。
ビジネスチャットツールの草分け的存在であり、国内No.1の利用者数を誇る「Chatwork」。
Chatworkの前身となるEC studioの創業は、2004年。ロサンゼルスに事業所を構え、日本の企業をクライアントとし、ホームページの売り上げ支援サービスなどを提供していた。
その頃、社内の情報共有に使っていたのが「チャット」。創業者である山本正喜さんは、ここに目を付けた。
チャットは簡単な文章でやりとりでき、履歴が一目で分かるため仕事の管理もしやすい。メールでのやりとりが一般的な日本でビジネスを本格的に展開すれば、商機があるのではないか、そして煩雑な労働環境問題を解消できるのではないかと、業務効率事業へとピボットした。
とはいえ、当時は長時間労働が当たり前の時代。今でこそ「働き方改革」や「DX」なんて言葉が当たり前に使われているが、当時は業務効率化といってもピンと来ない人がほとんどで、ビジネスチャットという言葉すら存在しなかった。
しかし、生産性の低い状況を改善しなければ、日本の労働環境は改善されていかない。また、人生の大半を「働く時間」にあてるのであれば、どうせならもっと楽しく、創造的なものにしていきたい。
そうした思いから、業務の効率化と会社の成長を目的としたメール・電話・会議に代わるビジネスコミュニケーションツール「Chatwork」が誕生した。
2012年4月には、会社名をChatwork株式会社に変更し、ビジネスチャットツールを通じて、日本のDXを目指す挑戦をスタート。2019年9月に上場すると、リモートワークの普及に伴い、瞬く間にシェアを拡大した。これまでに365,000社(2022年6月末時点)に導入されており、国内利用者数No.1¹のビジネスチャットツールになっている。
しかし、ここで成長のギアを緩めることはしない。チャット機能だけにとどまらず、ビジネスシーンで利用されるさまざまな機能を搭載した「スーパーアプリ」を目指し、日々プロダクトの磨き込みが行われている。
「業界内で知らない人はいないサービス」といっても過言ではないが、プロダクト本部 DevHR(開発人事)に所属する門田矩明さんは「ビジネスチャット市場は、まだまだ黎明期です」と話す。
ビジネスチャットの利用率は国内で働いている人の4分の1程度²で、まだまだ成長の余地が残されており、市場を拡大しながらより便利なプロダクトへと進化させていく未来を描いているそうだ。
職能ではなく機能単位で動く「Featureチーム」の組成、働く社員の非連続なキャリアアップ、楽しく創造的に働く文化の醸成——。一般への普及が加速する「キャズムの壁」を超えたChatworkの「DAY1」をお届けする。
¹ Nielsen NetView 及びNielsen Mobile NetView Customized Report 2022年5月度調べ月次利用者(MAU:Monthly Active User)調査。調査対象はChatwork、Microsoft Teams、Slack、LINE WORKS、Skypeを含む47サービスをChatwork株式会社にて選定。
² 23.4%(Chatwork株式会社依頼による第三者機関調べ、2022年3月調査、n=30,000)
その技術を何に使うか
日本人の「働く」を、もっと楽しく、もっと創造的に
現在、開発組織は変革の真っただ中にあります。もともとは職域ごとに部署が分けられていましたが、特定の機能単位でチームを組成する組織体制(Featureチーム)への移行を進めており、2023年末までをめどに新体制での開発環境を整える予定です。
機能単位で動くFeatureチームを組成する背景には、プロダクトの品質を、より速く、より大きく向上させていきたいという意図があります。
職能ごとにチームが組まれている場合、エンジニアは「大きな工程のうちの一部分」の開発を担うことになるため、他の職能部署との間で細やかな連携が必要になります。つまり、コミュニケーションコストが増えるため、年間に出せるリリースの数にも限界が来てしまうのです。
しかし、機能ごとにチームが組まれていれば、部署間のコミュニケーションコストを最小限にすることができる。これにより、より速く、より価値の高いプロダクトがつくれるようになると考えています。
また、メリットはプロダクトの品質向上にとどまりません。Featureチームへの体制変更は、メンバーの可能性や市場価値を高めていくうえでも、新たな組織構造が有効に機能していくと信じています。
というのも、機能ごとのチームであれば、「これまでサーバーサイドの開発をやってきたエンジニアが、モバイルアプリの開発にも挑戦してみる」といったことが可能になるからです。
さらには、「自分が出したアウトプットに、責任を持って関わり続けられる」というのもエンジニアにとっての面白みになると思っています。
Chatworkは創業期から、社員を大事にするカルチャーを大切にしてきました。それは社名を変更した今も受け継がれており、プロダクトを磨き上げていくことはもちろん、同時に働く社員のキャリアアップやWillの実現も追求していきたいと考えています。
どのように働くのか
エンジニアは、会社の心臓
弊社はリモートワーク主体の就業スタイルなので、基本的にチャットベースの非同期コミュニケーションが中心です。出社時のミーティングに参加した後は、それぞれが「Chatwork」を活用してコミュニケーションを取っています。
ただ、新しいメンバーがジョインした際などは、チームビルディングを目的とした対面でのコミュニケーションを取ることも。居住地がバラバラなので、大阪や東京を中心に、メンバーの都合に合わせてオフラインでのチームイベントなどを行っています。
会社にとってエンジニアは、プロダクト開発における重要なポジションです。職種による優劣はないものの、プロダクトによって利益を上げている以上、エンジニアは会社の心臓だと考えています。そのため、エンジニアが働きやすい環境へのサポートには投資を惜しみません。
例えば、作業環境の整備を目的とする出費には、年間15万円までを限度に50%の金額を会社が負担しています。PCスタンドやディスプレイ、デスクや椅子はもちろん、遮光カーテンなども対象です。弊社はリモートワーク主体の就業スタイルなので、自宅の作業環境が向上するものであれば、ガイドラインを守っている限り補助が受けられます。
入社してすぐに支援の対象となり、2年目以降も支援が継続されます。ちなみに私は、デスク、椅子、ディスプレイ、マウス、キーボード……と、ひとしきり購入を支援してもらいました。
副業に関しての質問を受けることもありますが、メンバーにとって有益であるのならば、積極的に行ってほしいと思っています。「競合他社の業務に参加しない」「就業中に副業を行わない」という2つのルールを守っていただければ、会社としては問題ありません。
「副業部」という社内の部活動が存在するくらい、それぞれが働くことにオープンです。これから副業を始めたいメンバーから「どれぐらいの時間やってるの?」といった質問が交わされています。
誰と働くのか
エンジニアの活躍を加速する「3つのフィット」
採用において重視しているのは、スキルフィット、カルチャーフィット、チームフィットの「3つのフィット」です。
スキルフィットとカルチャーフィットについては、多くの会社さんが重視されているものだと思います。それだけでも十分な基準になり得ると考えていますが、私たちがあえてチームフィットを掲げているのは、入社していただいた方に「最大限に能力を発揮できる環境を提示したい」と強く願っているからです。
例えば、非対面のコミュニケーションを好むチームに、対面のコミュニケーションを望む方はフィットしない可能性があります。目指す方向性が同じだとしても、知らず知らずのうちに働きにくさを感じてしまうこともあるはずです。
そうした事態をなるべく避けられるよう、一次面接と二次面接を通過した後に、「体験入社」の期間を設けています。入社後に配属されるチームから、事前に技術的な試験を用意してもらい、実際の業務を体験していただく期間です。
課題に対して、チームメンバーからレビューをする仕組みになっているため、そこでリアルなコミュニケーションを体験していただけます。
もし少しでも違和感を抱いた場合、率直に意見してください。お話を聞いた結果、チームフィットだけが満たされていないのであれば、他のチームに体験入社していただくことも可能です。
顔合わせ程度の自己紹介で、お互いを知るのは、やはり難しい。その前提に立ち、「入社後に誰とどのように働くのか」を事前に把握できる、心理的安全性も高い採用を、今後も実施していきます。
Chatworkで働く未来の仲間たちへ
働き方が変われば、世界が変わる
Chatworkで働くエンジニアには、特定の技術に対して明るいのではなく、プロダクトについて詳細な理解がある、つまりドメインに明るいエンジニアになってほしいと思っています。
私たちが提供するサービスはSaaSモデルのプロダクトであり、まさに市場が求める能力を身に付け、生かせる環境です。ここでの経験は、今後のキャリアにも応用が利くものだと考えています。
「Chatwork」をさらに素晴らしいプロダクトに磨き上げていくプロセスを通じ、同時にキャリアを太くしていく。そんな時間を過ごしていただければ、これほど嬉しいことはありません。
もちろん、会社側からも働きかけます。例えば、月一回以上実施している1on1や、半期に一度行っている目標設定の機会を通して、必ずメンバーのWillを訪ねるようにしています。
Willは必ずしも明確である必要はなく、「いずれこんなことがしたい」という朧げなものでも構いません。もし社内で、希望を叶えられる機会があるのであれば、積極的に提示いたします。
これから一緒に働く「未来の仲間たち」のみなさんには、「ビジネスチャット市場は、まだまだ黎明期です」とお伝えしたいです。
「Chatwork」はサービスインから11年が経ち、国内利用者数No.1のサービスへと成長しましたが、ビジネスチャットの利用率は国内で働いている人の4分の1に止まります。つまり、これからが勝負なのです。
これから利用者がさらに増えていけば、これまでビジネスチャットと連携していなかったサービスとの関わりが増えるなど、開発にもより力を入れていく必要が出てきます。やるべきことは、まだ山のようにあるのです。
私たちのミッションは、「働くをもっと楽しく、創造的に」。人生の大半を過ごす「働く」という時間が、もっと楽しく、創造的なものになれば、人生はより充実し、社会はより豊かになっていくと信じています。
働き方が変われば、世界は変わります。ぜひ私たちと、豊かな社会の実現に向けて、一歩を踏み出しましょう。
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